● 三重シューレの活動方針 ●

 1.三重シューレの理念は「自由・自治・個の尊重」

三重シューレは「自由・自治・個の尊重」の理念を基盤とし、子どもが主体的に生きる力を獲得していくことを目標にしています。

 ○ 自由とは、自分のことは自分で決めることです。
 ○ 自治とは、三重シューレのことは三重シューレのみんなで何とかする、ということです。
 ○ 個の尊重とは、一人一人の違い、ペースを認め合うことです。

この3つの考え方を実践しています。

〈自由〉
いつ何をするかは、子ども一人一人が自分で決めます。どのような活動をするかだけでなく、シューレに来る時間、帰る時間、ご飯を食べる時間なども自分で決めるのです。

「自分で決める」というと、どうしていいか分からなくなったり、突き放されたような気になったりする方もいるかもしれません。しかし子どもは自由を保障されることで自分のことが好きになっていき、彼らのうちから本来的な生きる力がわいてきます。そしてゆっくりと自分の生き方を見つけていきます。三重シューレは、子どもたちそれぞれが手作りで、自分の生き方を作り出していくことを応援しているのです。

〈自治〉
三重シューレのことは、三重シューレの活動に参加しているみんなでなんとかします。子どもとスタッフがそれぞれ同権の一票を持つ直接民主制のミーティングで、三重シューレのことを決めていくのです。

ミーティングで決めるのは、三重シューレのルール、三重シューレでやってみたい講座やイベント、必要なものの購入などです。やはりルールや制度というものは、そこに関わるみんなで決めていくから守ろうとか、参加しようという気持ちになります。

自分たちに直接関係のあるルールを、自分たちで作る経験があるからこそ、社会のルールの大切さを理解できるのではないでしょうか。そして「ルールは守るだけ」という一方的な受身な立場から、「ルールはみんなで決めるもの」という主体的な立場へと成長していきます。民主主義の精神を肌身で感じることができるのです。

〈個の尊重〉
それぞれの子どもは、体験してきたことや、ものの感じ方、これからやりたいことなど、それぞれ違います。それぞれが違っているのが自然であり、違いを認め合うことを大切にしたい、というのが三重シューレの考え方です。一斉・一律に何かを教えたり、やらせたり、ということはありません。三重シューレでは一人一人の個性とペースを大切にしています。いつも笑顔ですごす必要もありませんし、元気いっぱいのふりをする必要もありません。子どもは不登校になったとき、悲しい思いをしていることが多いのですが、そんなときに大切なのは、まず自分を好きになることだと三重シューレでは考えています。ですから、講座やイベントなどにも、最初から積極的に参加する必要もありません。いつどの講座やイベントに参加するのかも、それぞれが決めるのです。まず、自分のペースを取り戻します。

無理に「あれをやろう」とか「これをやろう」とかしなくても、三重シューレで過ごしながら、自分のペースでいろんな人と接したり、いろんなプログラムや行事に参加したりしている中で、本当に自分のチャレンジしてみたいことを見つけていくのです。三重シューレは、それぞれの子どものやりたいことが、どうしたら実現するかを共に考えたり、実際にサポートしたりします。個性がつぶされないからこそ、奥深い生き方を作り出せるのです。

 2.「生きること」と「学ぶこと」の関係を大切にする

三重シューレでは「生きること」と「学ぶこと」との関係を大切にしており、それらを分離しないことで「主体的に生きる力」の獲得を目指します。学校での教科書の勉強は、テストや入学試験が終わった後には忘れてしまう場合が多く、学んだことを実際に役立てる機会も滅多にありません。現実を見てみると、高校や大学で高度な学問を学んだのにもかかわらず、卒業したあとに「さて何をしようか」と悩むケースが増えてきているのです。そこからまた資格のための勉強が始まったりもします。

三重シューレの方針は、まず子どもが自分のペースで生きること、自分の興味を探すことからはじめ、そこからそれぞれの学びがスタートする、というものです。そして自分に必要な技術や知識を理解したうえでの学びが展開していき、学んだことがしっかり身についていくと考えるのです。

また三重シューレでは、子どもとスタッフ全員が話し合いながら、みんなで自分たちの居場所のことを決めています。自分たちの居場所のことは自分たちでなんとかする、ということもまた、人間が生きていくうえでの基本的なことではないでしょうか。「自分の生き方は自分で作り出す」ということと同じように、「自分たちが生きている社会の運営は、自分たちで決める」という感覚も、主体的に生きる力だといってよいでしょう。時には意見のぶつかり合いもあるかもしれません。しかし子どもはそれを乗り越えて、共に生きていく方法を見出していきます。

 3.三重シューレの活動

三重シューレで生活するなかで経験することそのものが「学び」と言えます。便宜上、分けてみるとこのようになります。

(1) 自分の興味にあわせた学習。自分の興味を探すための学習。

例えば、将来プログラマーになりたい、と思う子どもは、熱心にパソコンに取り組んでいます。イラストの練習をしている子どももいます。

(2)個別学習。

教科書、参考書、ドリル、学習ソフトなどを使った教科の学びです。生活に応用するための基礎学力とも言えます。それぞれのペースで進み、スタッフも協力します。

(3)講座

ミーティングで話し合い、どんな講座を開きたいかを決めます。講師には専門的な知識や技術を持った人に来ていただきます。例えば英語講座を開くとなった場合は、実際に英語が話せる人に来ていただきます。

(4)自主的なグループ活動

子どもたちが集まって自主的にはじめる活動も、学びの中心になっています。例えば三重シューレには子どもたちが設置・運営しているフリーマーケットがあり、社員会議を開きながら、活動を展開しています。

(5)野外活動

里山に行ったり、潮干狩りやバーベキュー、見学に行ったりもします。子どもとスタッフが提案します。

(6)ミーティング

三重シューレの国会にあたる時間です。子どもとスタッフ一人一人が、同権の一票を持つ直接民主制です。知らず知らずのうちに、一人一人の権利や、みんなで決めるという民主的精神を、体験的に学べます。意見を主張したり人の意見を聞いたりすることで、コミュニケーション力が培われます。